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 すると鷺がはたして二声ほど鳴いた。
 自分は我子ながら少し怖(こわ)くなった。こんなものを背負(しょ)っていては、この先どうなるか分らない。どこか打遣(うっち)ゃる所はなかろうかと向うを見ると闇の中に大きな森が見えた。あすこならばと考え出す途端(とたん)に、背中で、
「ふふん」と云う声がした。
「何を笑うんだ」

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私が第一に聞いたのは、この間の自白が私だけに限られているか、または奥さんやお嬢さんにも通じているかの点にあったのです。私のこれから取るべき態度は、この問いに対する彼の答え次第で極(き)めなければならないと、私は思ったのです。すると彼は外(ほか)の人にはまだ誰(だれ)にも打ち明けていないと明言しました。私は事情が自分の推察通りだったので、内心嬉(うれ)しがりました。私はKの私より横着なのをよく知っていました。彼の度胸にも敵(かな)わないという自覚があったのです。

 その内(うち)私の頭は段々この静かさに掻(か)き乱されるようになって来ました。Kは今襖の向うで何を考えているだろうと思うと、それが気になって堪(たま)らないのです。不断もこんな風(ふう)にお互いが仕切一枚を間に置いて黙り合っている場合は始終あったのですが、私はKが静かであればあるほど、彼の存在を忘れるのが普通の状態だったのですから、その時の私はよほど調子が狂っていたものと見なければなりません。それでいて私はこっちから進んで襖を開ける事ができなかったのです。一旦(いったん)いいそびれた私は、また向うから働き掛けられる時機を待つより外(ほか)に仕方がなかったのです。

 先生は庭の方を向いて笑った。しかしそれぎり奥さんの厭(いや)がる事をいわなくなった。私もあまり長くなるので、すぐ席を立った。先生と奥さんは玄関まで送って出た。
「ご病人をお大事(だいじ)に」と奥さんがいった。
「また九月に」と先生がいった。

旅行ということも、私は殆(ほとん)どしたことがない。嫌(きら)いというわけではないが、荷造りや旅費の計算が面倒であり、それに宿屋に泊ることが厭(いや)だからだ。こうした私の性癖を知ってる人は、私が毎日家の中で、為(な)すこともない退屈の時間を殺すために、雑誌でもよんでごろごろしているのだろうと想像している。しかるに実際は大ちがいで、私は書き物をする時の外、殆ど半日も家の中にいたことがない。どうするかといえば、野良犬(のらいぬ)みたいに終日戸外をほッつき廻っているのである。そしてこれが、私の唯一の「娯楽」でもあり、「消閑法」でもあるのである。つまり私が秋の季節を好むのは、戸外生活をするルンペンたちが、それを好むのと同じ理由によるのである。